Kissから始めよう
怖かった。
自分が自分じゃなくなっていく。


逃げてどうにかなるとは思わなかったけれど。


案外追いかけて来なかった事にホッとした自分がいた。





「8年もほっといたくせに・・・何で今なの?」


和寿の視線が泳いだ。

何かあるの?


「和寿、教えて?私の事・・・どうでも良くなってたんじゃないの??」


抱きしめた大きな身体は震えていた。


「和寿」

「少し前・・・お前水族館に行ってただろ。」


吐き捨てる様に言った言葉。


水族館・・・。
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