Kissから始めよう
「わ、私、もう30なんですけどっ」

「ん。知ってる。」

向かい合わせにソファーに座ると、彼は握ったままの手をゆっくりと撫でて、落ち着け、とばかりに微笑んだ。


「過去にお付き合いしたことって1度しかなくってっ」


「ん。」


優しい彼の返事が嬉しかった。

だから言わなきゃならない。


「そのときに・・・あのっ、」

「何かあった?その彼氏と。」

言う前に言い淀んでいたら先を越された。
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