恋はしょうがない。~職員室であなたと~

二度目の衝撃


 

夏休みの前期の補習か終わってから、真琴はほとんど古庄と会うことはなかった。

結婚式の準備で忙しいからか、古庄は休みを取っていることが多いようだったし、真琴もやはり会いづらいので、極力休みを利用して学校へは出勤しなかった。



そして、お盆明けのある日。

真琴がアパートの掃除に精を出して、ようやく作業が終わった時、玄関のドアの郵便受けにハガキが届けられているのに気が付いた。


汗を拭きながら、ハガキを手に取って見ると、静香からのものだ。


何の飾りもない春の異動の挨拶状のようなハガキ——。

その文面を走り読みして、真琴は衝撃のあまり息を呑む。



〈 ……このたび私 芳本静香は、古庄和彦さんとの婚約を解消することになりました。つきましては――…… 〉



結婚式の招待状を受け取った時のように、真琴の鼓動が俄かに激しくなってくる。

何度も読み返してみて、そこに書いてあることを確かめる。



――……どうして婚約解消?結婚式も中止って、どういうこと……!?


そんな戸惑いの中から、次第に湧きあがってきたのは、


――私のせいだ……!!


という思いだった。


古庄と静香がどんな関係を築いていたのかは、真琴の想像の範疇にはないが、どう考えても原因は自分の存在しかない。




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