*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
「…………いいぞ、契約だな。


そちらの条件はなんなんだ?」






息吹が言うと、汀は目をきらめかせた。






「内裏に盗みに入った赤毛の男は青羽山の盗賊だと、都の人々に思い込ませて。


そして、その男は賞金首になったことを知って、どこかへ逃げてしまったと、検非違使たちに報告して」






「…………ふむ。よかろう」






「ふふ、契約成立ね!!」







汀と息吹は、合意の握手を交わした。





そんな様子を、天城が感動したように眺めている。







そして藤波は、頭を抱えて天を仰いだ。






(…………いったい、どうなるんだ!?



いつになったら白縫山に帰れるわけ!?)







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