箱入り結婚のススメ

「私はまだまだです。だけど、とてもやりがいがあります。
今日、子供達の必死な演技を見て、感動してしまいました」


練習が嫌な子だっていた。
役が気に入らない子だっていた。

だけど、どの子も大好きな両親の前で、自分の精一杯の姿を披露できていた。

幼稚園の仕事は大変だけど、こういう感動があるから辞められない。


「俺は、人とかかわるときはほとんど商談だろ? 
だから、舞みたいに素直に感動を感じられるような出来事はあまりないんだ」


すっかり"俺"と言うようになった秀明さんとの距離が、どんどん近づいている。


「もちろん頑張った仕事が形になったときは、うれしい。
だけど、そのうれしさとは違う気がする。
だから、また見に行ってもいいかな?」

「もちろんです」


彼と共有できる時間も気持ちも、私の大切な宝物だ。

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