箱入り結婚のススメ

「その人ときちんとお付き合いをするというのなら、しばらくは仕事を認めよう。
もっと未来を考えなさい。ずっと幼稚園で働く訳ではないだろう?」


父も母も私が働くのは、結婚するまでだと勝手に決めている。
園長先生なんて、出産の時以外はずっと働いているのに。


「お見合いは……」


私は言葉を失った。
見合いを断れば、仕事を取り上げられてしまう。

どうしたら……。


「わかったな。話は進めておく」


父は話を終わらせて、寝室に着替えに行ってしまった。
いつもそうだ。
私の意見を聞いてくれることはない。


「お父様の言う通りです。もういいわ。お風呂に入っていらっしゃい」


こうなると、母にもなにを言っても無駄だ。
母は父に逆らうことなんてないから。

私は、仕方なく部屋にもどった。


「お見合いって……」


室賀さんのことを意識し始めていた私には、困った話だ。

おそらく父は、強引に日程を決めてくるはずだ。
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