箱入り結婚のススメ

『あのさ、体だけが目的なら、もう奪われてるから』

「えっ……そんな……」

「純情な箱入り娘には酷だけど、そういうものよ」


私だって、体の結び付きっていうものがあること位はわかっている。
だけど、体だけが目的だなんてはっきり聞くと、なんだかショックだ。


『とにかく、お見合いについては、室賀さんに相談しなさい。彼、真っ青になるでしょうね』


麻子が電話越しにクスクス笑う。


「ちょっと、麻子。楽しんでない?」

『うふふ。だって舞の初めての恋人なんだよ。興味深々』


そうは言っても、麻子は本気で私のことを心配してくれているのだと思う。


『デートのときは私の名前使っていいから。うまくやるのよ』


麻子はそんな言葉を残して電話を切った。


室賀さんに相談って……。
私はスマホを見つめながら、そんな勇気もなくて顔をしかめた。

< 84 / 450 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop