隣のマネージャーさん。~番外編~

「悪い、こういうの苦手だよな。」

……無理して笑うな。

勇大だって、本当は弱音吐きたいはずだ。

部活やめたいと思ってるかもしれない。

「俺、バスケもタクも都子も、カズも大好きだからさ。」

俺もだよ、俺だってそうだよ。

伝えたい言葉は浮かぶのに、口が動いてくれない。

「勇大……俺もだ。俺も……タクもミーコも、勇大も大好きだ。このメンバーでバスケするのが……すごく、好きだ。」

やっと動いた口、出た言葉。

俺の……本心。

「……知ってるよ、見てればすぐにわかるよ。」

勇大は驚いた顔をしたあと、笑って俯く俺の頭をくしゃくしゃ撫でた。

……玉城部長に、似てるな、勇大は。

「だからさ、カズ………この2人と、これからの後輩達のためにも、俺達がバスケ部を変えていこう。」

凛とした顔で、はっきりと言った勇大を見て、俺はコイツについていこうと、コイツと一緒に上を目指したいと思った。