触れてほしくて
彼の大きな手のひらが、今度はそっと私の頭を撫でる。
彼の手のひらから伝わってくる熱に、火照った頬がさらに熱くなる。
「……」
恥ずかしい。
でも、頭を撫でられるその感触は心地よくて。
彼にされるがまま、どうすればいいのかわからなかった。
「先輩、可愛い」
彼が頭を撫でる手をゆっくりとおろして、短くなった髪の毛の先に指を絡める。
指先でそれを弄びながら、私に顔を寄せた彼がそっとささやいた。
「先輩、好きです」
大きく目を見開いて、息を飲み込む。
降り続ける雨の音に、彼の声が静かに掻き消されていった。
― Fin ―


