青い残光【完】








その夜、わたしと翔さんは別れた。
彼は、最後の最後まで優しかった。


わたしには勿体ない…本当に素敵な人だった。











出来ることなら…わたしが翔さんを幸せにしたかった。



だけれど……わたしが本当に、誰よりも幸せにしたかったのは……。













「ごめんなさい、……翔さん…」














変わらないその想いを確認するのが、本当は怖かった。


終わらせたかった不毛な片思いを…
まだ終わらせられていないことを、認めたくなかった。












だけれど……ここから逃れようとすることは、人を傷つける。











それならば…わたしはこれから先に起こること全てを受け入れよう。


この想いを、最後まで手放さずにいよう。








わたしの想いが尽きるまで、あなたとともに…。
そして、……あなたに幸せを…。














< 158 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop