青い残光【完】









そして、わたしは彼へと声をかけた。





「梅さん」








彼の名前を呼ぶ時、何となく嬉しい。
わたしを見てくれると、照れて恥ずかしいけれど嬉しい。






わたしは変わらず、彼を想っていることを実感した。







「おっしー、」






「卒業、おめでとうございます……就職、されるんですよね?」







お祝いの言葉と、わたしの質問に彼ははにかんだ笑顔で答えた。
その声を、その表情を、わたしは焼き付けようと思った。





「…ありがとう。うん、俺は就職してサッカーを続けるよ。もうすぐに入社式があるらしいんだ。」






「へぇ……入社式って早いんですねぇ…」






とりとめのない、世間話のような会話だったけれど…一言でも多く、彼と話したかった。
彼の言葉を、一言一句忘れないように心に刻みたかった。






「…あの…、社会人リーグ、応援に行っても良いですか?」





「うん。ありがとう。俺、頑張るよ。」







彼は、笑顔で頷いた。
だから、わたしも笑顔でいなければと思った。





「…はい。わたし、ずっとずっと…梅さんのこと、応援してますから」








それは、紛れもないわたしの本心だった。
彼は、力強く頷いた。









わたしと彼の会話は、それが最後だった…。
その後すぐにえりかさんが、彼を訪ねてきて、二人は一緒に帰って行った。



その背中を、わたしは見送った。


















彼を追いかけた今日までの日々に、どんな意味があったのか……
彼の隣にわたしが立つ日はなかった。








だけれど、きっと…あなたに出会えたことに全ての意味があった。

そう思える日は、遠い未来に……。











【青】







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