仕事しなさい!
「ごめんなさい、倫子さん。……わかってます。俺の言ってることがくだらない弁解だって。
でも、俺、倫子さんを失いたくない!
この2ヶ月、本当に幸せだったんです。あなたと過ごせて、触れてキスして……、もしかしてこのまま、俺のことを好きになってくれるかもしれないって、ものすごく期待しました。
いつか全部、俺のものになってくれるんじゃないかって。
こんな話を聞いて信じてほしいなんて、おかしいですよね?
それでもあなたが好きです。
この気持ちだけは、ずっと、嘘偽りなく本物です!」


須賀くんが泣きそうな表情で近付いてくる。
手首をつかまれ、私は必死に振りほどこうと足掻いた。

しかし、束縛ははずれない。


「離して!」


「倫子さん、嫌いにならないで……。俺、あなたが好きなんです。こんな形で離れたくない」


「イヤ!離して!人、呼ぶから!」


私の拒絶の強さに須賀くんの手が一瞬緩む。
私は手をもぎ取って、階段を数段駆け上がった。

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