仕事しなさい!
彼はまだ私と話すチャンスを狙っているようだけれど、オフィスでも帰り道でも西村くんが付き添っているため、果たせない様子。
さすがにもう家まではこない。

それでも、毎日がツラい。

お休みをとるのは西村くんに断ってからにした。
私が不在の間、三課の営業事務は彼だけになるからだ。


「会社のことは気にせず、骨休めしてきてください」


西村くんはいつもの調子で言った。


「その代わり、必ず帰ってきてくださいよ?僕、待ってますから」


私は苦笑いでその好意をうけとる。
翌日、金曜日。

私は房総半島にある兄の家に向かって出発した。



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