仕事しなさい!
「須賀さん、お付き合いしてください」


私は給湯室に向かっていて、その会話を聞いた。
すでに定時は超えていて、私も帰る支度をしていたのだ。


廊下から見えたのは、自販機の前に立つ須賀くんと広報課の田中さん。



「どうしても言いたかったんです。須賀さんが好きだって」


私は廊下で石のように動けなくなった。
須賀くんの声が聞こえる。


「村田のこと、出し抜く感じになっちゃわない?」


「そうですけど……、好きなんだもん……」


「ありがとう」


須賀くんがそう言って、彼女の頭を撫でた。
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