仕事しなさい!
最後の一言は私にしか聞こえないように言う。
本当にズルい。

囃す声の中で私は困り果て、悩む余裕すら失い、
結局須賀くんから花束を受け取ってしまった。


「倫子さん」


立ち上がった須賀くんが私を抱き締める。
なんというパフォーマンスだろう。
周囲から、大きな拍手と歓声が巻き起こった。


やられた……!

はめられた。
しばらく忘れていた須賀ペースだ。

しかし、時すでに遅し。
私は衆人環視の中、須賀くんに抱き締められたまま、歯噛みするのだった。



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