仕事しなさい!
ああ、やっぱり、
言うべきじゃなかった。
あんな言葉。

気持ちバレバレも甚だしい。

でも、どこかで私は、彼がこうしてやってきてくれるのを待っていたのかもしれない。
最後まで受け身でごめんなさい。



「須賀くん」


彼がもう一度来てくれたら、言おうと思っていたことがある。
ここからは自分できちんと伝えないといけない。


「前、自分で言ったこと覚えてる?」


「いつの話ですか?」


「私に好きな人ができたら、ささーっと身を引くってやつ」


須賀くんが数秒の沈黙を挟んで頷いた。


「……まあ、言いましたけど」


「よかった。
じゃあ、聞いて。
私、好きな人ができたの」
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