仕事しなさい!
「あいつ、悪いヤツじゃないんだけど、女関係はだらしないからさ。安斉さんみたいな、真面目できちんとした人が巻き込まれるのは、見てて忍びないんだよ」


心底、私を心配した口調で、藤堂さんは言う。
やっぱり見ててくれる人は、彼の暴挙に気付いているのね。

私は嬉しくなったけれど、
須賀くんを悪く言う気にもなれなかったので、首を横に振った。


「ありがとうございます。でも、きっときまぐれだと思うので、放っておこうと思います。そのうち飽きると思いますし」


「そう?……もし、困ったことがあったら言うんだよ?俺でよければ、力になるから」


藤堂さんが優しく目を細めて言った。


藤堂さんとエレベーターで別れ、
オフィスに戻ると白木さんがデスクから顔を上げた。


「一度、須賀が来たよ」


「え!はい」


「藤堂くんとごはんって言っちゃった。……マズかった?」


「マズくないですよ!全っ然!」


……たぶん。


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