仕事しなさい!
「ちょっと!どさくさ!」


私は腕を突っ張って、彼の身体を遠ざけようとする。


「やべー、惚れ直した。やっぱ、会社の人らには見せらんないや。
みんな、倫子さんに惚れちゃうもん」


私は照れてうつむく。
ホント、口ばっかは達者なんだから。


「明日はでっかい花束持っていきます」


「花束よりお菓子にしてよ。シュークリームかエクレアを希望します」


そういう私の唇を須賀くんの唇がふさいだ。

キスは甘くて情熱的で、
私の全部を認めてくれているみたい。

私はいつしか、彼の首に腕を巻き付け、そのキスを幸福感とともに味わっていた。



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