仕事しなさい!
「安斉さん、午前中は何度も電話をとらせてしまってすみませんでした」


西村くんはまだ大学生そのものというくらい若々しい雰囲気。
顔も童顔で可愛いタイプなので、私はすっかり老け込んだ気分になってしまう。


「いいんだよ。最初は入力に集中しちゃうよね」


「安斉さんはいつもひとりでこなしてるんですよね。すごいです」


「慣れてるだけだよ」


西村くんは純粋な尊敬の眼差しを向けてくる。
ああ、どっかの誰かもこのくらい純真に私を見てくれたら、どんなにいいか。


「ところで、安斉さん」


お弁当を食べ始めてすぐに、西村くんが再び口を開いた。
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