運命の二人~白と黒の物語~
昼前って確か、タロと。

ナツと茜ちゃんとで買い物行こうとしたら、ママが「あら、駅まで一緒に行きましょ。タロの予防接種を受けにいくんだけど凛々ちゃんがいたほうが、タロも安心するから。」
と、微笑んでた。

タロは注射が苦手なんだよね。


私が連れていくと、あんなに嫌がってるのに!と怒って連れ帰っちゃうから(ホント親バカ??)毎回、パパかママに頼んでる。

「そだね。じゃあ駅まで一緒に行こう。タロ、おいで!」


と駅まで行って。


「じゃあ、ママ宜しくね。タロ行ってきます。」いつものように顔を近づけタロの顔を両手でグリグリした。

クゥン。


何となく分かってるようで切なそうに鼻を鳴らしている。


私はそれだけでズキン、ときちゃって、ナツ達との約束を断ろうかと真剣に考えた。

「ほらほら。ナツちゃん達との約束に遅れるわよ。大袈裟ねえ。」

ママは呆れたように笑った。

私は恥ずかしくなって「そだね。」と笑った。


その後、タロはママに引きずられるように歩いていった。何度も何度も私を振り返りながら。





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