エターナル・フロンティア~前編~

 イリアの両親は、娘の心情を知らない。もし知っていたら、彼にイリアのことを頼んでいたのか。

 だが――

 他人に、このようなことは頼めない。

 何より、恥ずかしい。

 子供は、日に日に成長していく。それはとても嬉しいことなのだが、イリアは親の手から離れて成長していく。親と同じ科学者を目指したいといい、アカデミーに入学する。その部分に焦点を当てれば、特に口を挟まない。だが、時として親の意図から離れていっていく

 それが、今の現状だった。

「……あなた」

 吐き出すように、言葉を呟く。しかし、答えてくれる相手はいない。

 ただ、嘆く。

 そして、将来を愁えた。
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