ラズベリー
第6話

・第一ステージ



そしてついに第一ステージ当日。

太陽も見守るかのように雲から覗いているようだった。

今日が私の第一歩。


そして、葵との決戦日。

絶対に負けない。


「皆、私たちは今日の為に必死で特訓してきた。頑張ろう。」


美怜が話すが皆、緊張してか顔が強張ってる。


「「「「………」」」」

「皆固いわよ。
顔も強張ってるし。」

「そうよ。今日の為にあんたたち
ど素人に付き合ったんだからね。」

「やる事やりなさいよ。」


麻衣と静香が喝を入れようと言ったのだろう。


でも、少し態度も言い方もきつかった。

それだけ言うとその場から離れていった。


美怜は顔をしかめた。

そして『やっちまったぁ。』と思ってしまった。


「少し照れてるだけだから。
受け止めてあげて…ね。」

「怒ってないよ。
ありがとうね。」

「あいつらの性格ぐらい
分かってきたし。」


皆が理解し始めてくれていた。

嬉しかった。


麻衣も静香も本当に不器用な人だ。

いつの間にか仲間が出来てたんだね。


「よし。皆、乗り込むよ。」

「「「「うん。」」」」


私たちは会場に向けて歩きはじめた。



< 139 / 222 >

この作品をシェア

pagetop