不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
私からも彼をドキドキさせるようなことができればいいんだけど……。

卓巳君の腕がスッと伸びて、あらわになった私の首筋、それから胸元に触れる。


「まだ、残ってんな」


それは卓巳君につけられた赤い印。


「うん。多分、当分消えないと思う。ねぇ、どうしてキスマークなんてつけたの? 普段はこんなのつけないじゃない」

「ああ……それは……」


卓巳君は言いにくそうに口をもごもごさせる。

そして、なぜか子供みたいに拗ねたような顔をして「聞きたい?」と尋ねる。

黙ってうなずくと、卓巳君は、「はぁ」と小さくため息をついた。


「ヤキモチだよ」

「え? ヤキモチ?」


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