不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
1ヶ月ほど前、私は失恋した。

フラれた原因は私の“カラダ”――というか、体質に関することで、あの時のショックは相当なものだった。

そして今もまだ、そのことを引きずっている。


『いっぱい飲んでさ、バカ騒ぎして嫌なこと全部忘れちゃおうよ。それに、新しい出会いもあるかもしんないし』


そんな誘い文句に乗せられて来てみたものの、やっぱりこの雰囲気は苦手だ。


店の一角にあるテーブル席。

3つのテーブルを占領している私たちのグループは、お酒のせいだかなんだか知らないけれど、異様に盛り上がっている。

といっても、忘年会シーズンのせいか、周りの客もかなり騒いでいて、私達だけが特別に目立っているわけでもなさそうだけど。


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