レンタルな関係。

「ああ、そうだ、忘れてた」


「へ?」


「唯衣、ごめんっ!」


「へ?」


「俺、夏休み、サークルの合宿に行くんだった」


「えええっ?!」


「ごめんごめん」



か、要くん…

 
夏休みを目前に控えた今、その言い渡しは、私にはキツイですけど?


 
要くんはバスケットボールのサークルに入っていて。

 
講義終了後に、練習に出かけていったりする後ろ姿を見ていたから、ちゃんと活動していることは知っていたけれど。

 
 
でも合宿って…

 
初耳なんですけど。

 
っていうか、そんなに活発に活動しているサークルだったんだ…



「ど、どのくらい? そんなに長くないんでしょ?」


 
おそるおそる、聞いてみる。

 
上目遣いで要くんの顔をのぞき込み、次の言葉を待ってみれば。



「一ヶ月、かな」


「いっ! 一ヶ月?!」


「うん、たぶんそのくらい」


「ええええ……」


 
一ヶ月って!

 
ほぼ、丸々夏休み使っちゃいやしませんか?

 
私のために残っている時間は……

 
10日前後??


 
ボルテージが。

 
 
一気に下がりました……


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