レンタルな関係。

「そうじゃなくてっ!」


 朝ってことはもう理解しましたからっ。

 問題はそこじゃなくって、


「私っ! やっ…」

「ああ?」

「その、あ、アンタと…その…」

「なんだよ」

「その…」

「……」


 布団のなかで話すのが苦しくなってきて。

 顔を半分出して、流川を見る。


 流川は。

 そんな私を見て。


 少しの間、肩にかけたタオルを両手でつかんでいたけれど。

 スルリ。

 外してソファへ投げたあと。


「憶えてねーの? 本当に」


 ニヤリ。

 あの顔で。


 う。

 出たぞ、久しぶりに…


「お前が自分で脱いだんだぞ」

「ええっ?」

「ベッドに寝かせたと思ったらすぐに」

「えええっ?」

「そのあとは… 分かるだろ」

「う…うそ」

「すごかったなぁ、お前」


 言って。

 ベッドに腰を下ろした流川は。


「俺も初めてだわ、あんな…」

「ああああ…」

「イビキ聞いたの」

「……あ゛?」

「ひどかったぞ、あれは」


 い、イビキ?


「え? え?」

「速攻で寝やがって」


 寝た?

 じゃあ…


「な、なんにも… なかったの?」

「ああ」

「ホントに?」

「ああ」

「ヤッてないってこと?」

「ああ、そうだ」

「ほんとーーに?」

「そうだって言ってるだろ」


 なんか…この格好で。

 信じらんないんですけど。


「ホント?」


 まだ確認する私に。

 流川は真顔になって、しばらく私の顔を見ていたけれど。


 ガサリ。

 距離を縮めて。


「なに?」

「…え?」

「なんかあったほうが良かったか、俺と」

「へ?」


 ふふん、と笑う。





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