私の恋愛事情><
別れ

「ゆーい、ノート!!」

「あー!もう、友達に借りてよ!」

「良いじゃん、良いじゃん♪俺達幼馴染みなんだし」
「それはそうだけど…」

「だろ?なら、良いよな」
「うん…ってこらぁー!」
「やーい、引っ掛かった、引っ掛かったー!」

私、桜木優衣。小学六年生。
そして今私が追いかけてるのは幼馴染みの古池拓人。

「おー、やってるやってる。あいつら付き合ってんのかなー?」

「え、マジで?ひゅーひゅー」

拓人のせいで変な噂まで流れてるし…!!

ポンッ

もう…誰よ!こんなときに><

「大丈夫?」

「愛ちゃん…」

愛ちゃんこと佐川愛ちゃんは私の親友。
可愛くて優しくてかけがえのない存在。

愛ちゃん、心配してくれてる…けど…

「愛ちゃん顔が笑ってるよ」

「へ?あ、ゴメン!!」

「へ、平気」

「皆〜、拓人を押そうぜ!」

「な、何だよ?お前ら」

男子が騒いでる。
何か皆で拓人を押してる。
ってか、こっち来てる?
「いけぇー!」

「うわ!」

ドンッ

「きゃっ、いったーい!」
男子のやつ、わざと…! ってか、拓人が上にかぶさって///

「おい、お前らなー!優衣、ごめんな。立てるか?」
「う、うん///」

「?どうした?顔赤いぞ?」

「あはは…何でもないよ、何でも!!」

「そうか!じゃあ俺あいつらしめてくるわ」

「う、うん!」

そして拓人は男子のもとへ行った。
それにしても何なんだろうこの気持ち…
さっきから心臓がばくばくいってる。
ぶつかったときの衝撃が大きかったからかな?

「優衣〜、大丈夫?」

「愛ちゃん!!」

「怪我ない?」

「ん、大丈夫」

「良かった〜!」

「うん!」

拓人と男子には困ってるけど毎日がとても充実してて楽しかった。



〈次の日〉

「えぇー!!!拓人それマジかよ!!」

何やらまた男子が騒いでる。
愛ちゃんと教室に入ろうとしたとき、

「残念ー!お前とは中学も一緒が良かったよ。まさか、転校するなんてな。」
"拓人が転校"

と耳に入ってきた。
私は拓人のもとへ行き、
「拓人、転校するの?」

と問いかける。
拓人はニコニコしながら、

「おう!優衣、俺がいなくて寂しいか?」

と言う。
なにそれ…
寂しいに決まってんじゃん
何でニコニコしてんの?拓人は転校嬉しいの?

パシッ

「って…何すんだよ!優衣…優衣?」

ダッ

「優衣!!」

何で殴ったの?
何で泣いてんの?
別に良いじゃん
私が拓人を縛る必要なんてないんだし
なのに…なんで…
なんでこんなに悲しいの…?

「優衣!」

「…」

「優衣!」

拓人は追いかけてくる。 でもこんな顔見せらんない。
だから逃げる。
拓人が諦めるまで。

「来ないで!」

わざとひどい言葉をかけて。

でも、拓人は止まらない。足が速くてもう少しで捕まる。

でも逃げる。
必死にひたすら。

「優衣!!!」

ギュッ

その時、拓人に手首を掴まれた。

「離してよ!」

「だめだ。」

「なんで!!」

「何で泣いてるか言ってくれ」

「…」

「優衣」

拓人は真剣だ。
目をそらせない。

「拓人は…転校嬉しいんでしょ?ニコニコしながら言ってたもんね!それに、寂しいに決まってんじゃん、ばか!!!」

掴まれてた手首を解放される。

何も言われない。

いっそまた逃げてしまおうか。

ギュウッ

「拓人…?」

「勘違いさせてゴメン。俺、転校なんてしたくねぇよ。けど悲しい顔なんてしたらかっこわりぃじゃん。それに、優衣と離れんのもすっげぇー辛いよ。ごめんな。」

「拓人…」

何だ。
私の勘違いか←
やっぱり拓人は拓人だ。
「優衣、俺必ずここに戻ってくる。そしたら、会おうな!」

「…うん!」

明日は卒業式。
拓人は今日の夜ここを離れる。
明日は会えない。
けどきっとまた会える。信じてる…

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