あなたのために。-光と影-




中に入ってもその状況は変わらねぇまま。




香水臭え女共は俺に気に入られようと必死に擦り寄ってきやがる。




おかげでワイシャツに香水の匂いが残る。




退屈を感じ辺りを見回す。




陽は周りの女と楽しく飲んでやがる。
あいつはタダ酒呑めればどんな女とも呑むからな。




白兎は女共に酒を勧められて丁重に断っている。
でも強引な女が多いせいか、まだ強く勧められてる。
いい様。




でも陽や白兎の相手をしている奴らもちまちま俺のこと見てきやがる。




強ければいい、外見が良ければいい、権力があればいい、そんな女が大嫌いだ。




下っ端の組員の方に目をやる。
するとそこに1人だけ俺に目もくれずに、下っ端の相手をしている女が1人いた。




黒のドレスに長い黒髪、服装も髪も化粧も他の女よりはシンプルだが、それに似合った顔立ちや外見をしてる。




笑っていても強い目をしているのが分かる。
あの女、人並みならぬ「闇」を抱えてる。




そして俺には見向きもしねぇ。



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