僕らの秘密
「いつまで、そこで泣いてるの。泣いたからって、文章がおもしろくなるわけでもあるまいし」

彼女がそう言うと、泣いていた女の子はとうとうオフィスを飛び出して行ってしまった。重苦しい空気がオフィスに漂う。

「鉄仮面のせいで、また、若い女の子がやめちゃうよ」

営業の上野が、僕にそっと耳打ちした。僕は、鉄火面と呼ばれている彼女をこっそりと盗み見る。こんな空気になっても、彼女だけは相変わらず何事もなかったかのように淡々とキーボードを弾いていた。
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