僕らの秘密
「これ、直しておいて頂戴」

ぼんやりしていると、目の前に平沢琴美がやってきて僕の机に書類を置いた。

相変わらず、そっけない態度。

けれど、彼女が立ち去ったあとほんのり残ったシトラス系の香りを嗅ぎ取った僕の胸は高鳴った。

このシャンプーは彼女からのお誘いのサインなのだ。

僕は彼女の無機質な後姿をじっと見つめた。

あの美しい黒髪を、今日はどんな風にいたぶってやろうか。

乱暴に押し倒したとき、真っ白なシーツに孔雀のように広がる彼女の髪の毛を思い出し、僕はそっと目を閉じた。
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