大好きなんです
「あなた、何言ってるの。そんなの当たり前じゃない」
「お、お母さん!」
「?どういうことだ?」
ふふふ、とお母さんは楽しそうに笑う。
「け、ケーキの味見ありがと!あたし片付けしなきゃっ」
ここにいると危険を感じるので、あたしは急いでケーキを乗せていたお皿とフォークを持ってキッチンに戻った。
お母さんには言ってたけど、お父さんには言ってない、というより言えなかったからなぁ…
この後、家の中にお父さんの声が響いたのは言うまでもない。
「ふぅ……疲れたよぉ」
ぽふっ、とあたしはベッドの上に倒れた。
お風呂上がりで少し体が火照ってるから、ひんやりとした布団が気持ちよかった。
「お父さんもあんなに反応しなくてもいいのに……」
まだ見たことないからって霧谷くんのこと否定するみたいな……
今度連れて来い!って言われたけど……霧谷くんに言いにくいなぁ。
「あれ?」
ふとケータイに目を向けるとメールを知らせる光がついていた。
誰だろう……ゆっちゃんかな?
パカリとケータイを開いて自然と緩む頬。
「ふふっ……」
なんだか、こういうの幸せだなぁ。
最後におやすみなさい、とメールを打ってあたしは送った。
「明日……楽しみだなぁ」
ふわふわした気持ちの中、あたしは眠りについた。
『明日、楽しみにしてる』
『あたしも、楽しみにしてるね!
おやすみなさい、霧谷くん』