大好きなんです





「送ってくれてありがとうございました」



車から下りて優子さんに頭を下げる。



「ふふっ、気にしないでいいのよ。もともとは流のせいだしね〜」



後ろに目を向けると霧谷くんが複雑そうな顔をして座っていて。


その隣にはにやにやと笑っている優くん。


ただ送ってもらうだけだったんだけどな。



「そうだ、萌ちゃん」


「、はい?」



霧谷くんを見ていたら優子さんに声をかけられて、慌てて優子さんの方に顔を向ける。



「今度のクリスマス、萌ちゃんは何か予定あるかしら?」


「え、と……」



ちらりと霧谷くんを見る。



実を言うと、まだちゃんとした予定があるわけでもなく。


でも一緒に過ごしたいなぁ〜……とは考えてたりして。


今年のクリスマスはお父さんが出張になっちゃってお母さんと二人だけだし。


ちょっと、寂しいし……


あくまであたしが、ではあるんだけどね。



「よかった。流関係以外では予定ないのね」


「うっ……」



エ、エスパーだ……ゆっちゃん以外にもエスパーがいたよっ!!


あたしって、やっぱり分かりやすいんだ……


少しだけしゅん、としているあたしに、優子さんはにっこりと綺麗に笑う。



「じゃあ、もし萌ちゃんさえよければ、クリスマスはうちでパーティーでもしない?」


「パーティー、ですか?」


「そう!私、娘とそういうことするの憧れなのよ〜」



うふふっ、と楽しそうに笑う優子さん。


うーん……どうしようかな。


パーティーはしたいけど、お母さんを一人にするのはなぁ。



しばらく考えているとがチャリと音がして。



「あら、萌帰ってたの?」


「お母さん」



振り返ると玄関からお母さんが顔を出していた。






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