蜜は甘いとは限らない。【完】

葵side





「せぇーざぁーきぃー!!」

「?」

「今日こそてめぇのこと、ぶっ潰してやるよ!」





いつも通り学校の中をぶらついていた俺に、女みたいな顔をした奴が喧嘩を売ってきた。




基本、売られた喧嘩は買う俺だけど、今日は何となく気分が乗らない。


無視することに決めた俺に、女みたいな奴が掴みかかって言った。




“お前の姉貴、売春してんだろ?”





「あ゛?」

「ふはっなんだよ、その目!!」





人1人殺しそうな目、しやがって!

...なんでこいつが俺に姉貴がいることを知っているのかは知らない。


別に知ってるだけならいい。



だけど、何も知らないこいつが嘘を本当の事のように言ったことと、姉貴を馬鹿にしたような口調に腹が立った。


苛立ちをそのままにどうやら男らしいこいつを殺気を込めて睨みつける。





「喧嘩してぇんだろ?
来いよ、雑魚」

「チッ粋がってんじゃねぇぞ瀬崎!!」




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