無口な上司の甘い罠
3.始まった恋・・・一方通行な恋
会社に着き、デスクに座った私は、

早速パソコンを付け、仕事を始めた。


「・・・おはよ」

「ぁ…おはよ、どうしたの元気ないね?」

朝だと言うのに、元気のない隆盛。

私は体ごと隆盛に向け、元気のない理由を聞いた。


「昨日、夜中に発注ミスとかで呼び出されて、明け方まで仕事してたんだ」

「・・・うそ」

隆盛の言葉に目を丸くする。

…夜中に呼び出されて、明け方まで仕事。

きっと、寝ずに会社に来たに違いない。


「全く。・・・三谷に頼んでた仕事だったのに。

一方的にオレに仕事を押し付けて帰りやがって」


「…何で、私を呼ばなかったの?

ピンチの時は、いつも、私を頼るくせに」

そう言って隆盛を見つめる。


「…バカだな。会社で助けてもらうくらいならいいけど、

あんな重労働、今日子に任せられるか。夜中に取引先に行って、

明け方まで付き合わせられるかよ・・・・

オレ一人で十分なんだよ」

そう言った隆盛は、私のおでこを軽くデコピンした。
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