恋愛禁止(ホラー)
先輩の言葉にドクンッと心臓がはねる。


「風呂場で女の幽霊を……」


「な……んで……それを?」


あたしは竜季といろはちゃんと伊達先生にしか、今回のことは話していないはずなのに。


「あんたの友達から今日聞いた。あんたが帰ってこないのを心配してたから、話を聞いてやったら、全部教えてくれたんだ」


高田先輩がそう言った。


「いろはちゃんに聞いたんですか……」


これでは誤魔化すことはできそうにない。


だけど、女の幽霊なんてどうして先輩たちがすんなり信じるんだろう?


思えば先輩たちは最初から幽霊の存在を信じていた。


あたしでも最初は子供騙しだと考えていたのに……。

< 212 / 316 >

この作品をシェア

pagetop