恋愛禁止(ホラー)
「あたしね、竜季君と付き合うことになったの」


嬉しそうに頬を赤らめながらいろはちゃんがそう言ったのは、寮の部屋の中でのことだった。


あたしは勉強中のペンを止めていろはちゃんを見た。


「え……?」


「前からね竜季君のこといいなぁって思っていたの。ツムギちゃんの彼氏だから遠慮していんたんだけれど、別れてからあたし頑張ってアタックしたんだよ」


いろはちゃんは頬を紅潮させ、まくしたてるようにそう言った。


あたしは間にいろはちゃんから聞いた気になる男の子について思い出していた。


あれは竜季ことだったんだ!


「ちょっと待ってよ、一体どういう事!? あたしが竜季と別れた理由を知っているでしょう!?」


あたしは持っていたペンをバンッと机に置き、いろはちゃんに詰め寄る。
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