恋愛禁止(ホラー)
「朝ご飯どうする? 無理そうなら、またおにぎり持ってこようか?」


「うん……。じゃぁ、そうしてもらえるかな?」


「わかった、ちょっと待っててね」


いろはちゃんがパタパタと足音を立てて部屋を出る。


あたしはその後ろ姿を見送って息を吐き出した。


目を閉じれば昨日のあの光景が浮かんできて、身震いをする。


「あれは本物だったよね……?」


あたし自分の手のひらを見つめて、そう呟いた。


手に絡みついてくる髪の毛。


細く、ぬるぬるとした繊維質な感触が今でもリアルに蘇ってくる。


あれは幻覚なんかじゃない。


確かに見たんだ。
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