恋愛禁止(ホラー)
そう聞かれても昨日の出来事を説明する気にはなれない。


かりに話したとしてもそれをみんなが信用してくれるとは思えなかった。


困って口ごもっていると、隣の笠原先輩が口を開いた。


「気を付けなさいよ」


「え……?」


「あたしたちがあなたに教えた噂。ただの噂じゃないかもしれないし、あなたを怖がらせるために言ったデマじゃないから」


先輩の鋭い口調。


「……ただの噂じゃないって、どういうことですか……」


「本物かもしれないって意味よ」


真剣じゃ表情でそう言った笠原先輩の声が、あたしの中で何度もリピートされていた……。

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