【完】籠球ロマンティック

恋夜・ザ・ブルーバード

「ラブ!へばるな!そんなんじゃ恋する夜も一回戦で終わっちまうぞ!」


「バカヤロー!恋する夜はオールナイトだコンチクショーめ!」


サムシティから二週間、三月のフーズガットへ向けて、日々厳しい練習が繰り広げられていた。


バイトが無い日の平日は、学校終わりに高架下で少し打ち、19時から21時まではオルフェが練習をする体育館で一緒に打たせてもらっている。


『オルフェの弟分がトライアウトで一回戦負けなんて恥ずかしい』と、オルフェのメンツはやけに指導に熱が篭っている。


一年間のブランクのある俺と女のリッコ、見るからに体力の無さそうな色素の薄いマカロンは、毎日へばりっぱなしだ。


スネイク・オーバドゥのメンバーの中でスタミナが一番あるのはハーシーで、普段整備士の仕事をしているだけに、このハードな練習にもへっちゃらといった顔色をしている。


「注意力散漫!」


「どわぁ!?クソッ!」


ボール捌きのトレーニングとして、三つのボールを操っていた俺だったけど、爪先にひとつボールがぶつかり零れていく。


「はーい、ノルマの2分クリアならず。腕立て30回!」


「くぅぅ……!この、スパルタゴジラめ!」


俺の指導担当のイケメンゴジラ、改めイツは、俺に楽しそうに告げると、まるで犬に躾をするように指先で『伏せ』の命令の動きをした。
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