チョコホリック【短編】
チョコホリック

嫌いなものを3つあげるなら、泣きボクロ、甘いお菓子、そして、小倉(おぐら)先生。



2月に入ったばかりのある日、あたしは先生に怒られながらも、窓から覗く、暗くなる空を眺めていた。


視界の隅には物が散乱している汚い机がたくさん。


どうして教師の机ってこうも汚いんだろう。


「冬って暮れるのが早いよね。危ないから一緒に帰ろうか」


隣に立つ市橋くんがこっそりと耳打ちした。

しかし、あたしは首を微かに横に振る。



あなたと帰る気はないという合図。


それに、彼がどんな反応をしたのか、あたしは知らない。


市橋くんなんて見てやらないんだから。


あたしの視線は、相変わらず、右隣に立つ彼とは反対の、左の窓を捉えていた。



「おまえら、聞いてるのか。なんで調理実習をさぼった?」


前に座る小倉先生が偉そうに腕を組みながら訊いた。


まっすぐな瞳が印象的で、睨むようにまっすぐ見られると、少し怖いくらいだ。

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