俺様専属メイド!?
下を向いたら零れ落ちそうだから、上を向いて治まるのを待つ。
「……家に帰って弟や妹の面倒見てやれ」
何でそんな寂しそうな優しい声音で言うのさ。
突き放しといてそんな優しい声を出すのはズルイよ。
いつもみたいに強気で言い返したいのに、言葉が浮かんでこない。
「……バカ」
力なく藤井の肩をグーパンチする。
その後、素早く藤井の頬に付けちゃった傷に絆創膏を貼った。
赤く腫れた頬に優しく触れてから、藤井に背を向けいつの間にか落ちていたカバンを持ち教室を出た。
そのまま授業を受けることなく、学校を後にした。
胸にポッカリと空いてしまった穴を感じながら……。