想イ偲ブ
「あなた」
「帰ろうか」

あなたが言う。

あたしは、黙って

あなたの顔を見上げた。
あなたは、

気にせずに歩み出す。

「なぁ、あいつは、今
どこにいると思う?」

後を歩くあたしには、

いつもは大きな

あなたの背中が

少しだけ、

小さく見えた

「空だ。<バカな話>と
思うかい?」

あたしは、

あなたに走り寄り

横に並んだ。

あなたは

その時微笑みを

見せてくれた

寂しい寂しい

微笑みを。

「思うんだ。あいつは、
空によく似ている。」

あなたの中心は…

あなたの

愛する人は

空なのね…

あなたは

これからも

空を愛するのね

ずっとずっと

愛し続けるの…?
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