クローバーの起こしたキセキ

千羽鶴






千羽鶴を折り始めてもう三日。
みんな初日からほぼ全員が揃っていて、最初はぎこちなかった鶴も今ではピシッと羽を広げた凛々しい鶴になっている。




「これでちょうど五百個目っと・・・・・。
ふー、結構ペース速いね」




碧海が私の方に来ながら言う。
確かに三日で五百はかなり速い。
この調子なら海原君に会える時渡せるね。
そうだ。
いいこと思いついた。




「ねぇみんな!ちょっと聞いてくれなーい?」




私のこの言葉でみんなは手を休めて私の方を向く。
全員こっちを向いたことを確認してから話す。




「あのね、海原君に千羽鶴ともう一つあげたいものができたんだ。
みんなが書いた寄せ書きなんだけど、ダメかな?みんなでメッセージ書いてさ。
色紙はもちろん私が用意するから!」




私のこの提案をみんなはすんなり受け入れてくれた。
私は財布を取り出し、先生に告げてから近くの百円ショップに寄る。




「いらっしゃいませー」




やる気のなさそうな脚立の上にいる店員の接客の声。
私はここに来たのは初めてだったので色紙の場所を聞く。




「あの、すいません。
色紙ってどこにありますか?」




「ちょい待ち」




お客に対するあるまじき言動。
私は気にせず少し待つ。
そして脚立からおりてきた後2コーナーを超えてそのままスタッフオンリーの部屋に入って行く。






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