先生、恋してます。

バレンタインまでの日々



街にはイルミネーションが輝いていた。街はピンクく光っていて恋人たちがたくさん歩いている。



先生もこの街にまぎれて彼女と歩いているのかなんて不安にもなった。

先生は彼女がいると1年前本人が言っていたと友達が言っていた。


今もいるのかなー?すぐに不安になっていった。



デパートに入ってみれば、恋する女の子達が誰かを思ってチョコレートを選んでいた。
もうバレンタインかー


先生にあげようと思ったが私は好きな男性にあげたことがなくて、もちろん本命チョコもあげたことがない。




学校では、クラスの子達が好きな人のために色々な作戦を考えていた。


「美衣ーバレンタインどうしようー」



「あげればいいじゃん」
美衣が言う。


あげなきゃ何にも始まらないもんね

自分に言い聞かす。



「結花結花ーたいへん」

「んっ?」

同じクラスの怜が慌てて来て少し驚いた。



「バスケ部のマネージャーの子、宗佑にバレンタインあげるって」


「えー先生のこと好きなの?」



「いやっなんかねー去年バスケ部マネージャーの先輩があげたらちゃんとしたもの返してくれたからあげるんだって」


「もー」

お返しがほしいからあげるなんてずるいよー


はあー




先生にあげようと思ってもいざあげようと思うとなにをあげていいのか分からない。


とりあえず本命?っぽいやつかなーとか
けど重たいかなー?とか
いろんな悩みが頭をぐるぐる回る。



本命っぽくしたいけど、先生のクラスの子も先生の部活の子もみんなあげるからきっと先生はそのうちの一つとしてしかみてくれない。


あっそうだ!!

大人だからコーヒー屋さんのインスタントコーヒーでもいれてあげよっ



けど先生はコーヒー飲めるかな~?






学校の教室の窓から外を見ているその時だった。


先生が自動販売機の前にいた。




「せんせ~」


「おぅ」



「先生ってコーヒー飲めますか~?」





先生は自動販売機で買ったコーヒーを片手に「これ」って感じで不思議そうに見る。



それに気づいた私は「あっ飲めるんですね」なんか笑えてきた。




そして先生は私に「今から授業か?」なんて聞く。



「はい。社会ですよ」



「お~天野先生の授業か?」


「うん」



「よろしく言っといて」




「はいっ」



天野先生とは私たちの社会の先生で宗佑先生ととても仲がいい。

男なのに嫉妬しちゃうくらいの仲良しだった。




バレンタインまでもう少し


私は何回も練習をした。



家庭科を中心にやる学科だが私はそんなに料理が得意ではない。


私はクッキーとブラウニーとチョコケーキを作ることにした。





初めての本命バレンタイン緊張する。


そんなことも思っていたらついに13日。
バレンタインの前日になった。



あー緊張する。

意外ときれいにできた。
後はコーヒーを入れてラッピングするだけー。



あー緊張。



そして、バレンタイン当日



キーンコーンカーンコーン

「美衣、行くよー」

私たちは先生のクラス1-6へと走った。




先生がいた。男子生徒が勉強をしている。
入っていくことができないため、廊下でずっと待っていた


先生が黒板に書く字、真剣に教えるまなざしをこの時はじめて見た。



そして30分後、男子生徒が教室を出て行くのと同時に私は教室に入る。


教卓には沢山のチョコレートが置いてある。


「先生ーバレンタイン」
「おーありがとう」
先生は優しく言う。


私がラッピングした箱を見て言う。
「さすが家政科」
なんて言うからちょっとがっかり
家政科だからこうやって箱で渡したわけじゃない。



本当に好きだから.. 


そんなことを思っているうちに先生は私があげたものを開封しだした。

「これはなんだー?」私があげたインスタントコーヒーを見て言う。


「コーヒーです」

先生は「おー」と少し笑っていた。




確かに先生が笑うのも無理はない。

教卓に置いてあるチョコはみんな袋で義理チョコとわかる。


先生に「名前書いて」って言われた。
どこのファンクラブだっと突っ込みたくなるぐらい人気だ。

でも私はちょっと意地悪に聞いてみた。

「なんで名前?」



「うーん、くれた子とか覚えておきたいじゃん」

受け答えも完ぺき。
さすがモテモテの先生だ。






そして先生とまだ関わりをなくしたくない私は、先生に「また、化学教えてください。」

「うん。いいよ」


最後に優しい笑顔。どんどん好きがあふれていくよ。





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