アンタだけは絶対ムリ!!


「ど、どうしたの?」

恐る恐る聞いてみた。
怖いからね。

「あぁ?何がだよ?」

「あのっ、そのっ、機嫌が…。」

「あーね。お前に言う必要ねぇだろ?」

ズキッ。
何だろ?このズキズキした痛みは。

何でこんなに胸が痛むの?

苦しいよ…。

…そうか。

私……





「病気かもしんない。」

「は?いきなりどうしたんだよ。」

「一ノ瀬翔には関係ないから。」

「はぁ?どうした?」

「ゴメン。帰るわ。」

「ちょっ、おい!」

一ノ瀬翔が呼び止めたのも聞かず、一ノ瀬翔の部屋から逃げるように出ていった。

それが、間違ってたんだね。

今、後悔してるよ。

だって……


「ここ、どこぉぉぉぉぉ~っ!」

迷っちゃったんだもん。

おっきい家だからね。

方向音痴っていう事を忘れてた。
こんな事になるんだったら、一ノ瀬翔の言うこと聞いとけば良かった。
あー。もう。
ここどこなのよー!

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