アンタだけは絶対ムリ!!

抱きしめたまま、耳元で囁く一ノ瀬翔の肩を掴み、引き剥がす。

そして、言葉を遮った。


「か…「ねぇ、一ノ瀬翔。私の事どう思って、接してる?」」


「それは……っ。」


「教えて…一ノ瀬翔の気持ち… 
 そうじゃなきゃ私も言えないでしょ!」


急に真面目になっちゃったかな…?

と心配しつつも、一ノ瀬翔の気持ちが知りたいという感情が私の中を支配する。


黙る一ノ瀬翔に不安を抱きながらも、聞き続ける。


「ねぇ、どうなのって聞いてるの!」


少し強く言い過ぎたかなって反省。


こういう時こそ素直になれたらって思う。
可愛い言い方出来たらって思う。

…でも、それじゃだめだから。


ホントの私を知っていて欲しい。



「いちのっ…!」



半分キレかかった私ですが。

一ノ瀬翔に抱きしめられて、心臓が爆発しそうです。
恥ずかしいっ…///


でも、そんな可愛い事を言える子ではないからね。


ドンッと一ノ瀬翔を押しのけて、

「聞いてるんだけど!」

と睨みをきかせながら言う。



こういう時にいつも思う。


素直で可愛い子だったらどんなに良かっただろう…?

ってね。


でも、もう遅いから。



「聞かせてよ。」





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