Wonderful DaysⅡ



あの後、片付けなくてはならない案件を済ませるために屋敷を出た俺達。

てっきり仕事だと思っていたのに、兄さんと向かったのは一軒の邸宅で。


イギリス貴族の中でも、特に力のあるシーモア家の屋敷だった。


「……………………」


当然、シーモア家と片を付けなくてはならない案件なんて、マリアの事しかない。


───あれ?


確か、ケリをつけるのは連休明けだったはず。

何で、今日なんだ?という疑問符が頭に浮かんだが、口を開く事はせずに兄さんの後に続く。


屋敷の中に入れば、唖然とした表情を浮かべるシーモア家現当主、カルロス・シーモアの姿があった。


「っ……これは、Lordウィンザー。本日は、どのようなご用件で?」


何とか平静を装っていたカルロス・シーモアだったが


「言わずとも、分かっているのでは?」


兄さんの威圧的な低い声に、一気に表情が強張る。

それを横目で見ながら、ランスロットが持っていた莫大な量のファイルをテーブルの上にどさりと放り投げた兄さんは


「おめでとう」


なぜかシーモアに向かって、にこりと満面の笑みを向けた。


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