Wonderful DaysⅡ






「はぁ……」


先輩に気づかれずに外へ出られた安心感からか、無意識に口から零れる白い吐息。

空へと消えていく吐息を見上げれば、空から降り注ぐ粉雪が髪や肩に静かに舞い落ちてくる。


「マリア様、お手洗いに行かれるのでは?」


建物から出たと同時に、斜め後ろから聞こえてきた声。


「ランスロットさん!?」


その声の主に驚いて振り返れば、いつの間にか傍に控えていたランスロットさん。


───え!? 出て来る時は、ジャックさんとアニーさんしかいなかったよね!?


気配を消して行動するその動きは最早、忍者のようで。

全然、気づかなかったんですけど……


「お手洗いではなかったのですか?」


もう一度尋ねてくる、忍者ランスロットさんに


「礼拝が始まる前に、外の空気を吸いたくなってしまって……」


苦笑いで答えれば


「本日は人出も多くなっておりますので、あまり単独行動はなさらない方がよろしいかと思いますが」


ぴしりと釘を刺された。


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