童話曇灯-fairytale detective-
 
「あぁー……まぁ、基本的には……。
で、でも、結構女の子っぽいところもあるんだよ?ピンクとかフリルとか好きみたいだし……」



王輝が、たどたどしく答える。



「あと、料理も普通にできるみたいだし。昨日はプリン作ってた」



王輝が昨晩もらったプリンは、綺麗なピンクのいちご味。



「味は任せる」とは言ったが、まさか、いちごが自分にくるとは思わなかった。



完全に何か面白がってたよな、姫羅の奴ーーーー



明らかに甘ったるそうなそれに初めは眉を寄せた王輝だったが、実際的に口にしたプリンは、素材の味が生きた、甘酸っぱさで溢れていた。



「へぇー。姫は料理も上手いんだ! 今度俺も作ってもらいたいなぁ……」



どうせならプレーンも食べてみたかったな……ーーーー



王輝の耳には、もう、瑠の言葉が入る隙が残っていなかった。
 
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