恋人遊戯



「……ごめんね」





納得してない顔をする香輝に今までずっと説得をしていたけど、理解してくれない。


「僕、お姉ちゃんも一緒だと思ってた! お兄ちゃんとお姉ちゃん、嫌いなの?」





「違うよ。香輝は今まで兄さんとあまりいられなかったでしょ? だから、今度は兄さんが香輝の側にいてくれるのよ。香輝の事が嫌いになったんじゃないの」



優しく諭すように言うと、まだ納得いってない顔をする香輝に、バイトを辞めたおかげで時間がたくさん空いたから、やってみたかったヌイグルミを作ってみた。…我ながら上手く出来たなと、自我自賛してみたりした。








「これ、作ってみたの。市販されてるのに比べたら下手なんだけど…気に入ってくれた?」



「ヌイグルミ?」


「……イヤ…かな?」





ちょっと…かなり、緊張する。中学校の合格発表を見に行く時以上に緊張する。






お、男の子にヌイグルミって、かなり変だよね? うわ…どうしよう…。考えナシで作っちゃった。



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